原題: The whole thing was a scam
著者: Gary Marcus
公開日: 2026年2月
ソースURL: https://garymarcus.substack.com/p/the-whole-thing-was-scam
アーカイブ日: 2026-03-01
Gary Marcus(AI研究者・認知科学者)が、OpenAIとAnthropicをめぐる米国防総省(ペンタゴン)のAI契約問題について、「これは単なるビジネス判断ではなく、政治的腐敗の構造が透けて見える」と批判した論評。
発端は、AnthropicがペンタゴンのAI契約をめぐり「一定のセーフガード撤廃要求には応じられない」として交渉が決裂、さらに政府側にAnthropicを「サプライチェーンリスク」と指定されたことにある。
その後、ペンタゴンはOpenAIと類似の条件で契約を締結した。
Marcusが問題視するのは、そのタイミングだ。
ニューヨーク・タイムズの報道によると、Sam Altman(OpenAI CEO)はペンタゴンとの秘密交渉を水曜日から開始していた。これは以下の出来事よりも前のことだ:
そして、OpenAIの共同創業者Greg BrockmanがトランプのPACに2500万ドルを寄付した後でもある。
Marcusの評価は辛辣だ:「全部茶番だった。DarioはAnthropicが競合に勝つチャンスなど最初からなかった」。
Marcusは自身がAmodeiの批判者であることを認めつつも、今回の政府の対応は公正さを欠いていると主張する。
「資本主義では市場が決める。オリガーキーでは、コネと献金が決める。米国が前者から後者へ移行しつつあるように見える。」
この記事はAI業界の特定イベントについての短評だが、Marcusが指摘する構造的問題——政府AI調達における政治献金の影響力——は長期的な参照価値を持つ。
Gary Marcusは長年にわたってAIの過剰なハイプを批判してきた研究者であり、特定の企業を擁護する立場にはない。その彼が「Anthropicは公正に扱われるべきだった」と述べる事実は重い。AI産業と政府の癒着が懸念されるなかで、「誰が政権に金を出したか」によって公共調達の結果が変わるならば、それはAI安全性の問題よりも先に解決が必要な問題かもしれない。
資本主義とオリガーキーの境界線についての問いは、AI政策の議論において今後も繰り返し参照されるだろう。
タグ: #AI政策 #OpenAI #Anthropic #米国政治 #AI産業 #GaryMarcus